大活躍!HOLEMS &CENTURY!

holmes

2017年11月04日 13:48

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高速道路からの転落事故


動画サイトで見るような、自動車が駐車場内で横転したり、海中へ水没したり、崖から車が落ちたりという様々なシチュエーションがありますが、実際にも起きることです。
崖から30m下に落ちた大型ダンプを引き上げるレッカーに行って参りました。
下見から引き上げ、片付け含め述べ5日間を要した大仕事


某所の山中の工事現場から、大型ダンプが滑落したと一報を受けました。
住所を聞いて、狭所であることを確認したのでまずは下見に行ってきました。

現場は、山中の大型車一台分ほどの車幅の未舗装の道路を上っていき、少し開けた工事現場。
そこから、車体は縦回転しながら崖を滑り落ちてしまったそうです。

ここまで酷い事故は、この時以来です・・・・



出動車両は、ホルムス750、600、センチュリー1040の3台。大型レッカー車が3台同時出動というのは、とても希なケース。
なにがあっても、引き上げられるように万全の準備をしていきました。




現場に着いた改めて思ったことは道路幅の狭さ。大きレッカーな車で現場入りするととその狭さをより認識しました。
道中の道路幅も広くなく、1040でいっぱいいっぱいの場所。これ以上大きな作業車両ではとても現場に入ることは不可能でした。



落車車両は、高低差30M、水平距離30M、角度45度の途中2~3Mの石垣が2段ある法面の途中にありました。

かつて、トラックでここまでの落差があった落車はなく、最高難易度のレッカー作業だったと思います。

レッカー車を設置する場所、車両を引き上げるスペースをどこにするか決めてから作業を開始しました。



750と1040でダブルウィンチ、計4本のウィンチを用いて、さらにワイヤーをダブッてダブっての引き上げ作業。

巻き取り速度はなんと毎分1cm。


本当に、ゆっくりゆっくり引き上げてきました。

先述したように、只の法面ではなく、途中垂直の石垣が存在し、ソレも越えないと行けません。
石垣に引っかかった状態で無理に車両に力を掛けると、ウィンチワイヤーが破断するリスクもあり、現場にいた時は一瞬も気が抜けません。



前輪が最初の石垣の一段目を超えたところで一日目が終了。翌日雨だったため、数日後に続きを開始。



数日後に作業再開、同じペースで1段目、2段目を超えたところで日没。最後の法面にさしかかった時は、あたりはすでに日没後で真っ暗。



月明かりもないので、レッカー車の照明だけを頼りに作業を続けます。

まだまだ下方にあるトラックは見えず、斜面に生えている枝をバキバキと折る音が、車両を引き上げている事がわかるサインでした。



路上に引き上げてくるまでここから1時間半。


遂にあがったー!」と一息つく間もなく、レッキング作業の準備のため、トラックをやり回しで転回させました。



ホルムス750とホルムス600のウィンチを使って、トラックをやり回したあと600のアンダーリフトで持ち上げました。

すべてが終わった時は、午前2時を周り、この日はこれで作業を終了。
車中泊にて夜が明けるまでしばしの休憩を取りました。


日が昇って、来た道をレッキングしながら戻りました。
未舗装の道なので、道中スタッグの危険性をありながらぬかるんだ道を避けて走りました。



落車により曲がってしまったトラックボディーは、牽引中車体をナナメにして追従してくるので、狭い道がさらに狭く感じるほど。
広い国道に出て、浜松市内に戻ってきたときに初めて「ホッ」とした気がします。

後日、片付けで三度現場へ赴き、道具やロープ、他細かい残骸を回収して終了となりました。

今まで対応したレッカー作業で、一番日数と手間がかかった現場です。

同時に、レッカー車の底知れぬ力を垣間見た現場でもありました。
落車引き上げを専用に作られたポテンシャルを、120%発揮してくれたのではないかと思います。

普段の平地での事故では、恐らく起きうることも発揮することはないですから・・・。

大活躍 Holems&Century!! お疲れ様でした!





現場で使用したメガホン。今回の現場の出動だけでもこんなにもボロボロに・・・






もうこのような現場は一生ないと思います。。。。(定かじゃないですけど)
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